序章Ⅲ
サマルトリアの皇子
幼い彼にとってはHEROであり、自分自身を映す鏡のような存在であった。
てつのやりがサマルトリアの皇子にとって最強の武器であり、
みずのはごろもが最高の防具であるが、
ムーンブルクの皇女に渡してしまう。
最高の攻撃呪文はベギラマであるが、ムーンブルクの皇女のイオナズンの破壊力には遠く及ばない。
しかしながら、サマルトリアの皇子にしかできない特性があった。
死者を甦らせる呪文、ザオリク
一瞬で街へ移動できる呪文、ルーラ
モンスターを一瞬にして死滅させる呪文、ザラキ
そして、自らの命と引き換えに大爆発を起こして確実にモンスターを滅ぼす呪文、メガンテ
器用貧乏で、使いにくいが、ここ一番で最も頼りになるキャラクター、サマルトリアの皇子。
彼はサマルトリアの皇子を愛していた。
いや、愛していたという言葉では表現しきれない。
幼い彼はサマルトリアの皇子になろうとしていた。